あたまのなかで

よろしくお願いします。神経症患者としてではなく、ひとりの人間として。俳句が好きです。Twitter→(https://twitter.com/ryuji_haiku)

『海原』創刊!


こんばんは。


日付が変わって昨日、9月1日に『海原』(かいげん)が創刊されました。

 

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今回は、そのことについて書いていきます。長くなるので目次付きでどうぞ。


1.『海原』はどんな俳句雑誌か

 

2.「同人」と「会友」の違い


3.創刊号で嬉しかったこと


1.『海原』はどんな俳句雑誌か


『海原』は、このブログでも何度か取り上げている『海程』(かいてい)の後継となる俳句雑誌です。


「海程」は1962年の創刊以来約56年間続いた俳句雑誌でしたが、昨年の5月金子兜太主宰から終刊が発表されました。

また、当初は金子主宰ご自身も「海原」の創刊号を手に取られる予定でしたが、それが叶うことはなく、今年の2月に98歳で亡くなられてしまいました。


金子主宰の死後、今年の7月に「海程」は終刊号を迎え、その約56年の歴史に幕を下ろしました。

 

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それから約2ヶ月経ち、安西篤さんの代表のもと「海原」の創刊号が出されました。

もちろん、「海程」の句会等でその存在は知っていましたが、やはり実物を見ると感慨深いものがありました。


そして、これもこのブログで何度か書いていることですが、私は「海程」時代、句会に俳句を送ることはあっても、「海程」の会員になることはしませんでした。さらに言えば、私が初めて「海程」の句会に出席したのが既に終刊が発表されたあとだったので、敢えて会員にはなりませんでした。


つまり、「海原」は私にとって初めて所属する俳句雑誌というわけです。先に書いた感慨深さのなかには、単に実物を見たという思いだけではなく、そのような思いも大きくありました。


2.「同人」と「会友」の違い


「海原」に所属している俳句作家には大きく分けて2種類あります。それは「同人」と「会友」です。


「同人」は「海程」に所属していたときに何か賞を受賞したことがある俳句作家。「海程」の時代から同人であり、句歴が長い方が多く、俳句の賞の選考委員を務められている方もいらっしゃいます。


対して「会友」は、まだそうした賞を受賞していない俳句作家。句歴も比較的短い方が多いです。

繰り返すように私は「海原」から所属したので会友です。


この「同人」「会友」という分かれ方は、誌面にも反映されています。


つまり、同人には「碇の衆」「光の衆」「風の衆」「帆の衆」というページがあり、それぞれに同人たちの俳句が掲載されています。

 

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この「衆」と名付けられた4つのページが、どのような基準で同人の方を分けているのかは詳しくは分かりません。ただ、私が読んだ限りでは、「碇の衆」には「海程」の時代から同人であった方のなかでも、さらにベテランの同人の方が集中していると感じました。


対して会友には「海原集」というページがあり、会友の方たちの俳句が掲載されています。

「海原集」では、発行人・武田伸一さんの選により、上位30位までの会友が元々投句した5句のうち4句掲載されます。30位より下は3句掲載されます。

また、その上位30位までのうち、さらに武田さんが良いと思われた句は「好作三十句」のなかに選ばれ、1ページにまとめて掲載されます。

おおよそこうしたことが、「海原」での同人と会友との違いです。

 

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3.創刊号で嬉しかったこと


そして、会友である私にとって、その創刊号で嬉しいことがありました。

先に述べた上位30位までのなかに選ばれたのです。

初めて俳句雑誌に投句をして、その5句のうち4句が掲載されたということは非常に驚きましたし、嬉しかったです。


また、「好句拾録」というコーナーに、その4句のうち1句が掲載されたことも嬉しかったです。

「好句拾録」は、そのタイトルの下にかっことじで「好作三十句を除く」と書かれているので、「好作三十句」の次点のようなものだと自分では捉えています。


これが「好句拾録」に掲載された1句です。

 

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半分は薬のからだ    百合活ける    リュウ


この嬉しさに甘んじることなく、次は「好作三十句」に掲載されるように頑張りたいです。


そして、さらに大きな目標として、この「海原」を通じて、自分らしい俳句をさらに書いていきたいと思います。

具体的には、口語体表現についてや類想句に対する避け方等を当面の課題として考えていきたいです。


最後に、『海原』について、私の主観ではなくどんな俳句雑誌か知りたいという方は、こちらのブログをおすすめします。大井恒行さんという俳句作家の書かれているものです。


大井恒行の日々彼是:安西篤「災後七年いま災前や半夏生」(「海原」創刊号)→http://ooikomon.blogspot.com/2018/08/blog-post_29.html